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UR-LRV100 UR-LRV200 概要

 2005年春のダイヤ改正で、大分地下鉄線が一部地上線切り替え等でLRT化し、同じくLRT方式で敷設が進む北浜支線との同一路線として直通運転が予定されている。その路線に投入されるのが、UR-LRV100である。

 この車両は、LRT車両としては機能、システム、デザイン等でトップにいくドイツのシーメンス社が提案している「コンビーのシステム」を採用している。広島のグリーンムーバーもこれである。外国車両の日本製造所としてライセンス契約を結んでいる新潟トランシスで製造する。ただし、UR-LRV100の特徴は、超低床ではなく在来の路面電車とあまり変わらない床面高さであること。一見、バリアフリーに逆行しているようであるが、停留所のホームもこの高さにあわせて、ある程度のレベルを保つことで、線路内への立ち入りを防止する。地下駅があるゆえである。もっとも、こうすることで車内はタイヤボックスなどのスペースがなくなり、定員を増加することができ、台車も特殊台車ではなくボギー台車にできるので、車両価格を抑えている。超低床でないならば、日本のメーカーに発注してもよいのだが、やはり、機能美とデザイン面でもJR九州に対抗するUPRならではの考えである。

 車体はコンビーのシステムに沿った設計であるが、別大ライトレール線はUPRの在来線と同じ軌間、同じ電圧、そして地下鉄線内は20m級車両が走行可能な規格となっているので、在来線スケールの、路面電車としては前例のない大型車体となっている。無論、UR-LRV100は在来線でも走行可能である。しかし、車両前頭部のオーバーハングが長いため、ポイント部分やカーブ途上にある駅のホームなど、UPR線の車両限界を超えてしまう恐れがある。このため、車体の横寸法をUPRの車両よりも15cm短くし、なおかつ運転席部分は先頭にいくにつれてすぼまるようにしている。車両は1編成3両で、元は2両であったものに、長さ4.5mの中間車体を組み込むことで、車体長19m、ほぼ電車1両分の定員を満たしている。

 車体事態は大型ということもあって、車内は在来線並みの広さを確保している。先頭車には、路面電車としては初めてであろう転換クロスシートを採用している。また中間車はロングシートであるが、車椅子スペースも2箇所設けている。さらにここにもICTの要素が盛り込まれ、先頭車は運転席背面の壁と連結部の妻面、中間車は両方の妻面、合計6台の液晶モニターを備え、広告や天気予報、ニュース等を流す。屋根上に受信アンテナがあるが、地下鉄線内では電波が届かないため、地下駅それぞれに受信アンテナを設け、光ファイバーケーブルで地下トンネル内へ引いて、1kmおきに電波送信アンテナを設けるという対策が取られる。

 このほか、別大ライトレール線は大分駅、稙田駅、別府北浜の2駅1停留所を除く全停留所が無人駅となり、自動券売機や自動改札機もないため、車内収受方式となるが、後乗り前降りでは車体が長く乗降に時間がかかる。これを受けて全ドアからの乗降を可能とするため、すべてのドア付近に整理券箱と運賃箱が設置され、後ろドアには別に新しくさいようされたトレインアテンダントがつくことになる。このアテンダントは車内放送のほか、お年寄りや身障者の乗降を介助する等、業務全般を行う。運賃表も液晶モニターの横に同じく6台設置され、運賃を表示するだけでなく、次駅・当駅案内、乗り換え、付近の施設への最寄などの案内もする。


 UR-LRV100は3車体18本が大分電車区に配置され、別大ライトレール線で運用される。

 ○ 前頭部
 ○ 側面


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