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UR-OR500 車両概要
2008年9月1日の植木電鉄一部ダイヤ改正より、従来車のUR-OM300の置き換えを目的に、天神久大線および大宮線の大分都市圏内の普通列車に運用されるべく導入したICTである。
車体
ICT標準のアルミダブルスキン構体である。初期のICTはアルミ地をそのままにしていたが、架線から落ちてくる雨水や砂塵により頑固な汚れが目立ったことから、その教訓より車体を全塗装することで容易に洗い落とせるようにしている。車体側面は白を基調に、大分の海岸をイメージして紺色に近いディープブルーを配してフォーマル感を残した。またドア部には警戒色の黄色を配した。前頭部は重厚なブラックフェイスとした。窓は全てUVカットガラスを用いている。ドアはICT標準のプラグドアを採用した。
客室
車内はパールホワイトを基調とし、運転室との境界壁と妻面は濃い灰色にしている。床には防音材を敷き詰めており、高速走行時の騒音を減らしている。2008年春に宮崎に導入されたUR-HR100と同様に、客室とドア出入口を仕切っていたスモークガラスの横幅が縮小され、従来のICTとは違い、このガラスに取り付けられていた液晶モニターは車両妻面の貫通路上部に移設されている。ちょうど福岡市営地下鉄七隈線3000系と同じモニター配置となり、1両に8台あったモニターは4台に減らされている。2台で1組とし、1台は広告・CM・番組等の動画を流し、もう1台は次駅・停車駅・乗り換え案内等の静止画を流す。また、火災対策新基準に合わせて貫通扉が設置され、大型トイレ・車椅子スペースが移設されている。
座席は転換クロスシートを採用し、楽しさを醸し出すためモケットの色は編成によって赤茶色・深緑色・深青色と異なっている。
運転室
ICT標準の両手ワンハンドルマスコンで、計器類はほぼ液晶タッチパネルに集約され、TICSによる車両情報一括管理を施している。車内収受ワンマン方式を採用し、車内やホームを監視できるモニターが運転台に備わっている。またこの車両から運賃表が天井から吊り下げるデジタル式から、客室の液晶モニターに表示される方式となった。2台のモニターが連動して周期的に表示される。
走行関係
制御系はIGBT素子を使ったVVVFインバータ+PWMコンバータ制御でICT標準の2レベル変圧式である。久留米地下鉄UR-KS200に採用されたシーメンス社のVVVFインバータは採用されていない。140km/hの高速走行性能が求められる宮崎都市圏での運用は無いため、台車にはヨーダンパは取り付けられていない。ブレーキは電気指令式電空併用回生ブレーキである。なお、同じく大分電車区に配置されているUR-OR400は大宮線宮崎都市圏での運用に備えて2連13本全編成が2008年初頭にインバータ書き換えやヨーダンパ設置・ブレーキ強化など140km/h対応改造が施されたが、併結運転は可能である。
UR-HR100は、3両編成7本21両が大分駅付近の大分電車区に配置され、天神久大線大分〜竹田・荻町間および大宮線大分〜佐伯間の長距離系統を中心に運用される。導入時点では臼三田園線やほうよ海道線・天神久大線荻町以西・大宮線佐伯以南への運用はない。この車両の導入により、従来車のUR-OM300が置き換えられ、大分都市圏の普通列車は全てICTに統一される。
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