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九州を縦断する夜行特急

 UEDENで積極的に展開する特急列車群であるが、脇役ながら深夜に走る特急もある。これは、地方中小私鉄では信じられないことであろう。

 天神(福岡)〜南宮崎間に「みみずく」という、1日1往復のみの定期夜行特急が走っており、あまり知られてはいないが、ビジネス客にはささやかな人気がある。「朝6時までに終点に着く」ことをモットーとしており、夜中の0時過ぎに出発し、朝5時代に到着するダイヤとなっている。JRでさえもこの時間帯に特急は走っておらず(特急ドリームにちりんを除く)、まだ始発電車も走っていない時間から現地で行動できる。まさしく「夜行」本来の目的を果たしている。車内にもやはりこだわっている。CETの5両編成に独立3列シートを配した座席車3両と、JRの「サンライズエクスプレス」のゴロンとシートに似た2段ベットの寝台車2両を連結しているが、座席車はシートピッチを800mmとって広々とさせており、座席はグリーン席のように無段リクライニングとフットレスト、さらにはLEDを用いた読書灯、CETすべてに備わるタッチパネルを内蔵する。寝台車はベットではなくマットで、壁でここに完全に仕切っているわけではなく、半分カーテンで仕切っているという簡素なものだが、車体自体がダブルデッカータイプなので屋根が高く、上下段それぞれ閉塞感をできるだけ和らげるようにしており、ここにも読書灯やタッチパネルを備える。

 「みみずく」は日向鉄道事業部のUR-HE200 5両編成2本がフル運用されており、全検時はUR-HE100で代用される。天神(福岡)に到着した列車は平尾に、宮崎に到着した列車は日向まで回送され、同駅で車内清掃が行われるのに加えて、日向の基地では日中16時間を使って点検を実施している。今のところはUR-HE100で代替された日はないものの、採算を合わせるため、ギリギリの運用となっている。

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