この情報は、2006年現在のものです。2009年3月のダイヤ改正により、特急「そぼ」は廃止されました。

天神久大線を走破するローカル特急

 天神久大線はUEDENいちの都市圏路線としてだけでなく、天神(福岡)と宮崎を結ぶ長大幹線ルートとして機能していた。天神久大線はUEDENの中で最も古く、現在走る「そぼ」はUEDENが発足する前まで歴史をさかのぼる。UEDENの全身である西九州鉄道と豊後鉄道の直通特急として、久留米、大分間に設定されたのが「そぼ」であり、当時は気動車特急であり、UR-KE3000の代替に廃車になったUR-KE1000だった。1987年にUEDENが発足された際に菊池〜荻町間の電化が完了し、気動車だったUR-KW1000を電車に大改造した。試験改造した1編成が、配線ミスにより八女工場内で大爆発したことは記憶にあるだろう。その後、天神(福岡)〜久留米間が開業し、南久大線が天神久大線に名が変わってから「そぼ」の利用者は増加していく。さらに、高規格化の大宮線が全通したことで、天神(福岡)〜宮崎間を走る特急として「そぼ」は長大幹線特急の地位に立った。このときに貫通型のUR-KW2000が新造された。当時、まだ天神筑大線が全通していなかったころである。JRの「にちりん」よりも速かったので「そぼ」の需要はどんどん拡大され、UR-KW2000を3本つないだ15両編成で走る日もあった。しかし、それからまもなくして天神筑大線が全通し、天神(福岡)〜大分間に特急「ひこ」が設定されると、大分の人々はそちらに乗るようになり、「そぼ」の利用者数が減少し始める。「ひこ」が30分おきに運転されるようになると、宮崎からは「そぼ」で大分からは「ひこ」に乗るという人も出て、「そぼ」は閑散となる。そして、天神(福岡)〜宮崎間特急が天神筑大線経由となったことで、「そぼ」は大分止まりに戻り、都市間輸送から外れたローカル特急となっている。その後、2006年の熊本空港線の立野延伸により設定された特急「あそ」と併結運転するようになり、UR-KW2000は再編成され、2両編成と3両編成の2種類での運行となっている。

 現在、「そぼ」は1日6往復で、うち5往復は高森〜大分・別府間で「あそ」との併結運転となっている。久留米運転区のUR-KW20003両+2両の9本で運用され、通常は6本使用する。定期で増結する運用はない。天神(福岡)〜大分間を乗りとおす人は少なく、天神(福岡)〜菊池間を利用する人が多い。

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